人材派遣の面接にふさわしい言葉遣いとは？
面接官は言葉遣いで社会人としてのマナーを見ている
人材派遣の面接官がチェックするポイントのひとつが、言葉遣いです。言葉遣いには人柄が現れるので、あなたが自社にふさわしい人材かを見極める要素になります。
もし日頃の言葉遣いに対して指摘を受けた経験があれば、振り返って改善を試みてください。社会人らしい言葉遣いを心がけ、ビジネスマナーを守れる人材だと面接官へ印象づけましょう。
ビジネスの場では、コミュニケーションが必須です。円滑なコミュニケーションをとれる人材だとアピールするためにも、場に応じた丁寧な言葉遣いを身につけて面接に出向きましょう。
面接での言葉遣いは基本的に「敬語」
ビジネスシーンで使う言葉は敬語が基本なので、人材派遣の面接でも敬語を使います。3種類ある敬語を改めて確認し、状況に応じて使いこなしましょう。
尊敬語
尊敬語は相手を自分よりも上の立場に起き、尊敬の念を込めて使います。面接官や応募先企業に対して使う言葉です。
例えば、「おっしゃる」「なさる」「御社」などがあります。主語が面接官や応募先企業の場合は、尊敬語がふさわしい言葉です。
謙譲語
謙譲語は、相手よりも自分を一段下がった立場に置く言葉です。自分の物や行動に対して使い、たとえば「いただく」「うかがう」「お目にかかる」などがあります。
自分や家族など身内が主語の場合は、謙譲語を使いましょう。
丁寧語
丁寧に言葉を話すときに使う言葉が丁寧語です。面接官など目上の相手に限らず、対等な立場の人にも使います。
「です」「ます」をつけた話し方が代表的です。他にも「お食事」「ご予定」など「お」「ご」などをつけた言い方も丁寧語になります。
クッション言葉も覚えよう
面接では、敬語が話せれば基本的なマナーがあると面接官に伝わりますが、さらにクッション言葉も使えると好印象です。クッション言葉とは、言葉の印象をやわらげるもので、相手への気遣いを表せます。
職場内外でのコミュニケーションはビジネスの場で不可欠なので、企業は気遣いができる人材を欲しがっています。クッション言葉を覚えておくと、職場で頼みごともしやすくなるでしょう。
面接でもう一度質問を聞きたいときに、「もう一度お願いします」だけでなく、「恐れ入りますが」とつけて言えると相手に配慮して話せることが伝わります。他にも、失礼ですが・申し訳ございませんが・よろしければ、といった言葉も覚えておきましょう。
面接での自分や相手の呼び方を知ろう
面接官と話すときの一人称と相手の呼び方を学んでから、面接の日を迎えましょう。使い慣れない状態で本番を迎えると日頃のクセが出やすいので、練習を重ねることをおすすめします。
自分のことは「わたくし」
面接で自分のことを言うときは、「わたくし」を使います。正式なビジネスの場では、男女問わず一人称は「わたくし」が最も丁寧だからです。
「わたし」を使ってもかまいませんが、業界や職種によってはそれでも砕けた印象を持たれる可能性があります。「わたくし」をスムーズに言える練習をして、面接を迎えましょう。
応募先に対しては「御社」など
面接の場で応募先を呼ぶときは、「御社（おんしゃ）」を使いましょう。ただし御社は話し言葉での呼称であり、書類に記入するときは「貴社（きしゃ）」を使います。
そのため、履歴書の志望動機欄や、郵送またはメールで送る場合の文面には「貴社」を使うことになります。間違って使わないようないように気を付けてください。
面接で避けるべき間違った言葉遣いを知ろう
敬語だと思って使っている言葉の中には、実は間違っているものがあるかもしれません。学生時代のアルバイト先で何気なく使っていた言葉が、実は間違った敬語だった可能性もあります。
敬語の基本を学んだあとは、間違った言葉遣いもチェックして、正しい言葉遣いで回答の練習をしましょう。
させていただいております
「させていただいております」は、二重敬語として誤った表現だと紹介されることの多い言葉です。しかし、正しく使えば問題ありません。
「させてもらう」の謙譲語にあたり、2つの条件にあてはまる場合は正しい使い方です。
その条件とは、相手や第三者からの許可を受けてそれをしていることと、自分がそれにより恩恵を受けることです。一見丁寧に聞こえますが、文化庁でも誤りが多い表現として紹介しています。
使い方を誤ると敬語の知識が不十分な印象を与えるので、正しい言葉になっているか、事前に回答を確かめましょう。
大丈夫です
「大丈夫です」は、提示された案に対して可否がはっきりと伝わらない言葉です。例えば、職種の変更が可能かの質問に対して「大丈夫です」と答えると、「可能です」「遠慮したいです」のどちらかわかりません。
面接では自分の考えや正しい情報を面接官へはっきり伝える場なので、判断しづらい表現は面接官が困ります。ビジネスの場で、はっきりした情報を伝えられるとアピールするためにも、あいまいな表現は避けましょう。
なるほど・確かに
「なるほど」や「確かに」は、どちらも相手に対して同意を示すときに使う言葉ですが、面接官に対して使うと失礼にあたります。なぜなら、相手の考えを評価する意味合いを含むため、応募者が面接官の言葉を評価している状態になってしまいます。
面接の場はお互いの相性を確認する場ではありますが、謙虚な姿勢を見せたいときにはふさわしくないでしょう。こういった場合は、「おっしゃるとおりです」を使うのが賢明です。
了解です・ご苦労様です
「了解です」や「ご苦労様です」は、どちらも相手を立てたい場合にふさわしくない言葉です。尊敬語・謙譲語のどちらでもないため、面接の場では避けましょう。
「了解です」は「承知しました」、「ご苦労様です」は「お疲れ様です」が正しい表現です。
すみません・ごめんなさい
「すみません」や「ごめんなさい」は、自分の失敗や迷惑をかけたときに使う言葉です。しかし、どちらも同等の立場の相手に対して使う言葉のため、面接の場では使用を避けましょう。
同等の立場でも特に親しい間柄で使うので、ほぼ初対面の面接官への言葉としてふさわしくありません。正しい表現は、「失礼しました」「申し訳ございません」です。
○○になります
「○○になります」はバイト敬語と言われる表現のひとつで、正しくは「○○です」「○○でございます」です。学生時代のアルバイト先で何となく覚えた敬語は、面接の場ではふさわしくない可能性もあります。
社会人として恥ずかしくない言葉遣いかを確認してから面接を受けましょう。
面接で良い印象を与える言葉遣いのコツ
正しい言葉遣いは、あなたが社会人として働けて応募先にふさわしいとアピールできる部分です。面接で好印象を残すために、心構えを学び練習を重ねましょう。
丁寧に話す心構えを忘れない
面接では、ふだんよりも丁寧な話し方を心がけ続けましょう。ビジネスの場で敬語を使う機会が多いほどふさわしい言葉遣いは上達しますが、慣れないうちは心構えを大切にしてください。
社会経験のある人でも、関わる相手が同僚など対等な立場の人ばかりだった場合は、改めて言葉遣いを学ぶことをおすすめします。
口癖が出ないよう事前に練習する
注意しても無意識に出てしまう口癖は、面接までに把握してうっかり口にしないよう、答え方を練習しましょう。緊張し慌てたときほど口癖は出やすいので、回答に慣れて自信を持つことも対策のひとつです。
日頃の会話を振り返り、「すごく」「ちょっと」などの言葉を多用しないか確認してみてください。「すごく」は「大変」、「ちょっと」は「やや」などの言いかえを、日常会話の中でイメージしましょう。
例に挙げた2つの言葉は、特に意味なく感覚的に使っている場合があります。日常会話で出てきたとき、その言葉がなくても意味が通じるかを分析しましょう。
面接官が聞き取りやすい声の大きさで話す
面接官に声が届いて初めてあなたの考えや熱意は伝わります。面接官との距離を考え、ちょうど良い大きさの声で話しましょう。
口をしっかりと開けて話すことも、聞き取りやすさにつながります。ふだんの生活で相手からよく聞き返されるのなら、意識して大きめの声で話すと面接対策になります。
緊張すると知らないうちに早口になる場合がありますので、ゆっくり話すこともポイントです。
失敗しても前向きに話す
面接で言葉が詰まったり言いたいことが分からなくなったりしても、黙ってしまわず最後まで話しましょう。ひとつの質問で失敗したとしても、それだけで不採用にはなりません。
提出した書類や面接、人材派遣会社からの情報などを総合して採否を決めるので、前向きに答え続けてください。むしろ失敗しても挽回しようとする態度を見せた方が、面接官には高評価です。
ビジネスに失敗はつきものです。企業側も、失敗しない人材だけを採っているわけではありません。
トラブルに立ち向かい、乗り越える力がある人材を求めています。
考えの要点をまとめておく
面接の回答は一言一句丸暗記するよりも、言いたいことの要点をまとめて柔軟に答える練習をするのがおすすめです。なぜなら、あらかじめ用意したとおりの質問が出る可能性は低く、質問に応じてその場で回答のアレンジが必要だからです。
家族や友人に面接官役を頼み、用意した質問にアレンジを加えてもらうと効果的な練習ができるでしょう。
人材派遣の担当者に相談してみる
面接対策に悩んだときは、登録する人材派遣会社の担当者へ気軽に相談してみてください。応募先企業の情報を豊富に持っているので、最適な面接対策がわかります。
具体的なアドバイスもしてくれるでしょう。
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まとめ
①面接官は言葉遣いで社会人としてのマナーを見ている
②面接での言葉遣いは基本的に「敬語」。3種類ある敬語をきちんと覚えておこう
③面接で自分や相手の呼び方を知ろう
④面接で避けるべき間違った言葉遣いを知っておこう
⑤面接で良い印象を与える言葉遣いのコツもしっかり覚えておこう”
